慢性的な腰痛にお悩みの方へ|エコー下鍼治療によるアプローチと改善例
今回は、「いろいろな治療を試したけれど、なかなかすっきりしない」という長引く腰痛に対する当院のアプローチについて解説します。一括りに腰痛と言っても原因は様々で、当院では超音波エコー(超音波画像診断装置)を用いた客観的な確認を行いながら、痛みの起源に直接アプローチする施術を行っています。
今回はご来院された方の事例とともにご紹介いたします。
実際の症例
【50代男性のケース】
長年にわたり、腰の重苦しさと太もも裏からふくらはぎにかけての違和感に悩まされていた患者様です。
病院の画像検査で狭窄症やヘルニアと診断され、下肢症状を和らげる目的で手術を受けられました。
手術後、足の強い違和感自体はかなり軽減し、主治医からも「術後経過は問題なし」と説明を受けたものの、腰自体の深部にある痛みがどうしても残ってしまったとのことでした。
特に以下のような日常動作での悩みを抱えていらっしゃいました。
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朝、洗面台でかがむ姿勢をとるのが辛い
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仕事で長時間の立ち姿勢が続くと腰が固まる
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仰向けで寝ると腰が浮くような痛みがある
神経学的な所見は落ち着いているにもかかわらず残存する腰痛に対し、当院では超音波エコーを用いて脊髄神経後枝内側枝(せきずいしんけいこうしないそくし)の走行部位を狙ったエコー下鍼治療を実施いたしました。
初回の施術後、「朝の洗顔時のつらさがかなり和らぎ、ここ数年で一番腰が軽くなった」とお声をいただくことができました。すべての症状が一朝一夕で消失するわけではありませんが、変化を実感していただけた好例です。なお、この方はもともと鍼の響く感覚や刺激に少し苦手意識をお持ちでしたが、施術前に「なぜこのポイントに鍼を行う必要があるのか」を丁寧にご説明し、安心して受療していただきました。
脊髄神経後枝内側枝に由来する腰痛の特徴
以下のようなお悩みがある場合、腰部の深部神経や椎間関節のトラブルが関係しているケースがあります。
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数ヶ月~数年単位で痛みが引き切らない
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マッサージを受けるとその場は楽になるが、すぐに元の状態へ戻る
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上体を後ろに反らしたり、腰をねじる動作で痛む
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靴下を履く姿勢や、中途半端な前屈姿勢がつらい
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ランニングやウォーキングなどの運動時に腰へ響く
当院での施術アプローチ部位
今回のケースでは、お体の確認と視診・触診、エコー観察に基づき、以下のポイントを中心に鍼治療を行いました。
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L5横突起基部を通るL4脊髄神経後枝内側枝
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L4横突起基部を通るL3脊髄神経後枝内側枝
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L4/5椎間関節
解剖学的なポイントとエコー活用の意図
施術にあたっては、狙うべき組織の位置関係を正確に把握することが重要です。
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mamillo-accessory ligament(MAL:乳様副突起間靭帯)について
各腰椎の乳様突起と副突起を結ぶ靭帯です。脊髄神経後枝内側枝はこの下を通過します。腰椎への機械的ストレスなどによってMALが肥厚・骨化すると、間を通る神経が圧迫を受け、その支配領域である椎間関節や多裂筋に痛みが誘発されると考えられています。
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神経走行と分岐
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L4後枝内側枝アプローチ: L4/5椎間孔から出たL4神経根は前枝と後枝に分かれ、さらに後枝内側枝となります。L5横突起基部およびMALの下を通過したのち、L4/5椎間関節、L5/S1椎間関節、多裂筋へと分岐します。
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L3後枝内側枝アプローチ: L3/4椎間孔から出たL3神経根の後枝内側枝は、L4横突起基部を通ってMALの下を抜け、L3/4椎間関節、L4/5椎間関節、多裂筋へと広がります。
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L4/5椎間関節: 関節包には神経受容器が豊富に存在するため、強い痛みや違和感の発生源となりやすい場所です。
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なぜ超音波エコーを使用するのか?
体表からの触診だけでは識別が難しい深部の骨構造や靭帯、神経の近傍に対して、エコー画像で周辺組織の位置関係をリアルタイムに確認しながら鍼を進めます。構造物を可視化してアプローチすることで、施術の精度や再現性を高めることが可能です。
改善後の再発予防・コンディショニング
施術によって症状が和らいできた段階からは、状態を維持し日常生活での負荷を減らすためのケアへ移行します。
当院では、腰部だけに負担が集中しないよう、肩甲骨周辺や股関節の柔軟性を高める関節調整・ストレッチ、必要な筋力を維持するためのエクササイズ指導を実施しています。また、普段の姿勢や動作習慣の中に負担増の原因がないかを丁寧にお聞きし、生活面でのアドバイスも合わせて行っています。
まとめ
当院では、以下のような段階的なステップで患者様一人ひとりと向き合っています。
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問診・詳細なチェック: お困りの症状や日常生活での背景を細かくヒアリングします。
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原因の推察: 筋肉・関節・神経など、どこが痛みの主な要因かを見極めます。
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施術プランの決定: エコー下鍼治療、手技による調整、安静指導など最適な方法を選択します。
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セルフケアと予防: 再発を防ぐためのストレッチや身体の使い方をお伝えします。
万が一、施術による変化が乏しい場合や、より詳細な医学的判断が必要と判断した場合は、無理に施術を続けず専門医(提携医療機関など)での検査をおすすめしております。ドクターの診察を経て画像上の原因が明確になることで、その後の施術計画もよりスムーズに進めることができます。
長引く腰の不調でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。