こんにちは。 芝浦院の後町です。
今回は、足の甲やすね前に起こるこむら返りに対して、エコーガイド下で深腓骨神経への鍼通電(神経パルス)を実施し、症状が改善した患者さんがいましたのでご紹介します。 ※ご本人から掲載の許可をいただいています。
概要
患者さんは、数年前から右足背部を中心にこむら返りを繰り返していました。 主な症状と経過は以下のとおりです。
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数年前から右足背部を中心にこむら返りが発生
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発生頻度は週2〜3回程度
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運動量が多い日は発生頻度が増加
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漢方薬を服用して対処
評価と治療方法
この方は両足関節に複数回の捻挫歴があり、ご本人も自覚していない不安定性(内反不安定性)がありました。
治療に先立ち、足関節の安定性を補助する目的でサポーターを使用していただくと、こむら返りの頻度が減少する傾向がみられました。 ただし、それだけで症状を十分に抑えられるわけではなかったので、次のステップとして症状に関与している可能性のある神経にアプローチすることを考えました。
深腓骨神経は、足首を上げたり(背屈)足の指を伸ばしたり(伸展)する筋肉を支配しており、症状と一致する部位でした。
この神経をターゲットに鍼治療を行うことにしました。
エコーガイド下で深腓骨神経パルスを実施
当院の強みはエコーと鍼
ということで治療は神経への鍼通電を行いました。
場所は足関節よりやや近位(体より)の場所にある神経(深腓骨神経)に鍼通電を行いました。

通電時には足背部への放散感が認められ、範囲も再現性を伴っていました。
治療当日から症状が消失。その後も再発なし
治療後、患者さんからはサポーターを着用していない状態でも、こむら返りが発生していないとの報告がありました。 さらに、約1か月後の確認時にも、症状の再発は認められませんでした。
結果論ですがサポーターなしでも再燃がないことから、神経系の割合が多かったのではないかと考えています。
考察|足背部のこむら返りに、神経という視点を加える
今回の症例では、数年前から繰り返していた足背部を中心とするこむら返りに対して、深腓骨神経へのエコーガイド下鍼通電を行いました。 その結果、治療当日から症状が消失し、約1か月後も再発が認められませんでした。
この経過から、今回の症状には深腓骨神経を含む末梢神経系が何らかの形で関与していた可能性が考えられます。 調べたところこむら返りに対して末梢神経へのブロックを行った報告はいくつかあり、一定の効果を得られているとのことでした。
ただし、こむら返りは筋疲労や水分・電解質の状態、神経・筋の興奮性など、さまざまな要因が関係する症状です。 そのため、すべてのこむら返りに神経への介入が適しているわけではなく、症状の分布や発生状況などを踏まえた評価が必要です。
今回注目したいのは、足背部に繰り返すこむら返りに対して深腓骨神経への鍼通電を行い、良好な経過が得られたことです。
筋肉がつるという症状に対して、筋肉だけに注目するのではなく、末梢神経への介入という選択肢も検討する。
その可能性を考えるきっかけとなる一例でした。
今後も同様の症例を蓄積し、どのような患者さんに神経への介入が有用となり得るのか、さらに検討していく必要があると考えています。
参考文献
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Treatment of nocturnal leg cramps by blockade of the medial branch of the deep peroneal nerve after lumbar spine surgery.
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「妊婦の難治性こむら返りに対して深腓骨神経ブロックが奏効した1例」
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「こむら返りに対する深腓骨神経内側枝ブロック―ケースシリーズ」