今回は肩の外側の痛みの原因となる腋窩神経について書いていきたいと思います。
こんな症状に心当たりはありませんか?
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腕を前や横に上げると肩の外側が痛む
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反対側の肩を触ろうとすると痛い
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痛む場所を指で「ここ!」と指させず、手のひらで押さえたくなるようなぼんやりした範囲で痛む
上記に当てはまる場合、肩の筋肉のすき間を通る神経が締め付けられている可能性があります。
なぜ痛むの?
原因となっているのは、首から出て肩の関節をぐるりと通り、肩の外側の皮膚や筋肉に伸びている「腋窩(えきか)神経」です。

痛みが起きるメカニズム
腋窩神経は、首(頚椎)から出て肩甲骨の前側を通り、肩の後ろにある筋肉に囲まれた狭いスペースをくぐって肩の前・外側へ向かいます。
このスペースは、小円筋(しょうえんきん)・大円筋(だいえんきん)・上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)といった筋肉や組織に囲まれています。
これらの筋肉や組織に締め付けられたり、引っ張られたり(牽引)することで、肩の外側に広がる痛みや重だるさを引き起こします
肩の後ろ側の「硬さ」と「滑りの悪さ」
なぜ、神経の通り道であるトンネルが狭くなってしまうのでしょうか?主な原因は以下の2つです。
1. 肩の後ろにある筋肉・脂肪組織の柔軟性低下
肩の後ろにある筋肉(小円筋や三頭筋)や、その間を埋める脂肪組織がコリ固まると、筋肉同士が滑らかに動く力(滑走性)が低下します。
腕を動かしたときにトンネルの形が柔軟に変形できなくなり、神経をギューッと圧迫してしまうのです。
2. 肩の関節(上腕骨頭)の動きのズレ
肩の後ろの組織が硬くなると、腕の骨(上腕骨頭)が本来の正しい軌道で動かなくなります。その結果、関節の動きに引っ張られて神経へのストレッチストレス(牽引力)や圧迫が強まり、激しい痛みにつながります。
腋窩神経障害が「肩だけの問題」で改善しない理由
ここまでお話しした腋窩神経が引き起こす原因は比較的ポピュラーなもので、それだけでは中々症状が改善しないことも多々あります。
1. 根本である「頸(首)」に要因があるケース
多いと言えるかは不明ですが、頸が要因で腋窩神経にトラブルが起こっている方もいらっしゃいます。
神経は頸から出て一本のコードのように手先に走行しています。(もちろんたくさんの分岐がありますので、枝もたくさんあります。)
その根本でトラブルが起きていると、その先の神経にも影響が出ることがあります。
こういったケースはイレギュラーですが、前述した通り治療をしていると一定数「頸が原因かもしれないな」と感じる患者さんはいらっしゃいます。
神経の根本が痛みの要因となっている方は、本人には自覚できないくらいの筋力低下が起きていたり、皮膚感覚が鈍くなっていることがあります。
これらの症状は、神経の根本からの症状を疑う際の判断材料となる所見になります。
なので当院ではスクリーニングとして、筋力や感覚の鈍さなどをチェックして見落としを防ぐようにしています。
また、個人的な感想ですが、手首の状態を良くすると肩の状態も良くなるといったケースともたびたび遭遇します。
前述した通り神経は頸から手先まで走っているので、手先でのエラーが中枢の方にトラブルを引き起こしている可能性も0ではないと思います。
(手首に注射を打つと肩の症状が改善する報告も出ています。
**Stull JD, Camp CL, Parada SA, Schickendantz MS. “Idiopathic” Shoulder Pain and Dysfunction from Carpal Tunnel Syndrome and Cubital Tunnel Syndrome. *JSES Open Access*. 2018; 2(4): 218-221.**)
つらい肩の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。